主催: 日本地球化学会年会要旨集
硫酸エアロゾルは、生物活動を通して温暖化を抑制する負のフィードバックをもつとする仮説が提唱されるなど生物圏と気候変動との関係という点からも注目を集めている。硫酸エアロゾルの硫黄安定同位体比(δ34S)は、起源ごとに特有の値を示すことが知られている。南極アイスコアには、過去数十万年の様々な気候変動指標が保存されており、過去のδ34S変動が明らかになれば、気候変動と硫酸エアロゾルの変動メカニズムや起源推定に有用である。しかし、南極におけるδ34Sの研究例は非常に少ない。本研究では、アイスコアのδ34Sを測定するとともに、東南極の広範囲で採取された表面積雪のδ34S空間分布を明らかにし、硫酸エアロゾルの変動メカニズムの解析を行った。