抄録
温暖化や成層圏オゾン層破壊をもたらす一酸化二窒素(N2O)のisotopocule比(非対称NNO分子内の15N分布も考慮した同位体比)はN2Oの起源、生成・消滅過程や全球収支の推定に有効な指標である。しかしその測定法は前処理に煩雑な操作を必要とし、これまでに報告された自動前処理法は量が限られた試料や低圧の試料には適用が困難である。本研究では、種々の大気試料の一部を定量的に真空ラインに導入し、N2Oの低温濃縮、精製を行ってGC-IRMSに導入する一連の前処理を自動で行う装置を開発した。1試料の分析所要時間は最短40分、N2O 4 nmolを含む大気試料(約300 mL)を分析した場合の窒素、酸素同位体比および分子内15N席選択(SP)の精度はそれぞれ0.1、0.2、0.5パーミル以下である。