抄録
岩石試料を溶液化しICP-MSで微量元素を定量する場合、検量線法が適用されるが、非スペクトル干渉などにより元素の感度は測定試料毎に変化する。この問題を解決するため、Inを溶液に加える内標準法などが用いられてきた。しかしICP-MSの感度変化には質量依存性があり、幅広いマスレンジの元素を同時測定する場合、1種類の内標準では感度変化を正しく補正できない。本研究では113In-203Tlダブルスパイクを用いた同位体希釈内標準法を新たに開発し、岩石中の22種の微量元素濃度を精密に測定した。標準岩石試料の微量元素濃度を希釈率を変化させて測定したところ、113Inのみを内標準とした場合、異なる希釈率において定量値に最大17%もの差が生じた。一方113In-203Tl法では定量値の差は全元素で5%以内であり、感度変化が正しく補正されていることが示された。