主催: 日本地球化学会年会要旨集
近年,海底熱水噴出孔の周辺に溜まった硫化鉱物が,Cu, Pb, Znなどのベースメタルや,In, Ga, Geなどのレアメタル,さらにはAu, Agなどの貴金属の資源としても注目されるようになっている (Schrope, 2007).このような地球化学的,生物学的,さらには鉱床学的な興味から,海底熱水噴出孔の研究はますますその重要性を増している.一方で,水深1km以上の深海底に存在する熱水噴出孔という名の小さなスポットを探し出すことは,現在の最先端技術をもってしても容易ではなく,海底熱水系の研究を進展されるためにより効率的な熱水探査手法が常に求められている (Nakamura et al., 2013).本研究では,近年その利用が拡大しているマルチビーム音響測深機によるウォーターカラムの観測 (Colbo et al., 2014) を用いて,中部沖縄トラフにおいて海底熱水噴出孔のマッピングを行った.