日本地球化学会年会要旨集
2015年度日本地球化学会第62回年会講演要旨集
セッションID: 1C11
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G14 初期地球と生命起源の地球化学
原生代前期全球凍結時の大気CO2分圧
*渋谷 岳造上野 雄一郎小宮 剛西澤 学北島 宏輝山本 伸次齋藤 拓也松井 洋平川口 慎介高井 研吉田 尚弘丸山 茂徳ラッセル マイケル
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抄録
 原生代前期には赤道域まで海洋が凍結したという全球凍結イベントがあったとされている。全球凍結の原因については、様々な仮説が提唱されているが、地質記録に基づく大気CO2分圧の推定からはCO2がそれ自体で地球を温暖に保つために不十分だったのかどうかが明らかになっていない。そこで、本研究では南アフリカ、トランスバール超層群のオンゲレック累層 (全球凍結時に海水中に噴出した玄武岩質安山岩) の地質調査・試料採取を行い、海洋底玄武岩の空隙を埋める熱水性石英に含まれている流体包有物の分析を行った。その結果、初生的流体包有物のCO2濃度は5.5 mmol/kg以下であることが明らかになった。また、計算の結果、大気CO2分圧は現在の約21倍以下であり、海水温を氷点温度以上に維持するのに必要なCO2分圧よりも低いと推定された。したがって、原生代前期全球凍結時の大気CO2分圧はCO2の温室効果だけで地球を温暖に保つには不十分であったことが地質記録から初めて明らかになった。
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© 2015 日本地球化学会
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