抄録
名古屋大学では1983年から,大学周辺大気の自動車排気ガス等による汚染の程度や状況を調査する目的として,名古屋大学東山キャンパス内の松葉を採集しその14C濃度経年変動を調査してきた.松の木などの常緑樹木は,4月になって一斉に芽吹き新葉片を形成して光合成を行いながら生長する。従って,新芽の松葉を避けて,その前の1年間に生育した松葉が明確に選別できる。これらの松葉は,前年の4月頃から,秋頃に生長が終わるまでの間に大気中のCO2を光合成で固定したもので,葉片の生長期間内の平均的な大気14CO2濃度を示していると考えられる。本研究では,1983年以降に形成された松葉の14C濃度を比較して,経年変化や松の生育場所による14C濃度の違いなどを検討する.