日本地球化学会年会要旨集
2016年度日本地球化学会第63回年会講演要旨集
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G08 生物と有機物の地球化学
瀬戸内海表層堆積物中の長鎖ジオール分析: C32 アルカン-1,15-ジオールは河川流入指標となるか?
*中村 英人安藤 卓人廣瀬 孝太郎浅岡 聡沢田 健
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p. 28-

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抄録

海洋堆積物中の長鎖アルキルジオールはC28、C30が卓越し、C32 アルカン-1,15-ジオールが長鎖アルキルジオールに占める割合が高い事例は湖沼堆積物や淡水・陸上から単離された真正眼点藻の培養試料などに限られていて、沿岸~河口域におけるジオール組成の検討によりC32 アルカン-1,15-ジオール (C32 1,15-ジオール)が河川流入指標となる可能性が指摘されている。本研究では半閉鎖的海域で流入河川の多い瀬戸内海東部の大阪湾・播磨灘の表層堆積物中の長鎖アルキルジオール分析を行い、瀬戸内海の広い範囲でC321,15-ジオールが太平洋よりも高い割合で含まれることが明らかになった。大阪湾奥部から紀伊水道にかけてのC32 1,15-ジオール割合の変化が瀬戸内海において河川流入指標として妥当であるのか、観測データや異なる起源をもつバイオマーカー組成と比較して議論する。

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