p. 31-
代表的なアミノ酸であるアラニンをその飽和水溶液とともに5 GPa以上に加圧すると、室温条件で脱水縮合反応が起こりオリゴペプチドが生成することが報告された(Fujimoto et al., 2015)。これまで、アミノ酸の脱水縮合反応は水が共存する条件では起こりにくいと考えられていたため、水が共存する条件でのオリゴペプチドの生成は、新たな生体関連物質の生成の場として高圧条件が重要であることを示唆している。ここではアラニン水溶液の高圧下での挙動を観察し、脱水縮合反応のメカニズムを考察する。