日本地球化学会年会要旨集
2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集
会議情報

G02 古気候・古環境解析の地球化学
天体衝突による大気の酸化仮説:後期太古代の地質記録による検証
*斎藤 誠史黒澤 耕介臼井 洋一奥村 知世尾上 哲治佐藤 峰南石田 湧也渋谷 岳造西澤 学松井 洋平澤木 佑介佐藤 友彦上野 雄一郎
著者情報
キーワード: 天体衝突, 酸化, 後期太古代
会議録・要旨集 フリー

p. 1-

詳細
抄録

天体衝突は地球史において、生物の大量絶滅をふくむ表層環境の変動を引き起こしてきた。最近黒澤(2016, 地球化学)は、高速度(>30 km/s)で天体衝突が起きた場合、岩石惑星の主要構成要素である珪酸塩が分解され、分子酸素が発生する可能性があることを指摘した。もし実際に、過去の天体衝突に伴って大気・海洋の酸化がおきたことが明らかにされれば、地球の酸化史の描像が刷新される可能性がある。しかしこの新しい仮説について、地質記録に基づく検証は試みられていない。西オーストラリア・ピルバラ地塊には後期太古代の堆積岩が厚く累重するが、その中には天体衝突を示すスフェリュール層が複数挟まれている。発表者らは、その内の一つを含むピルバラ地塊東部のCarawine Dolomiteについて、上述の仮説の検証を目的として層序学的研究を行ってきた。本発表では、この結果について報告する。

著者関連情報
© 2017 日本地球化学会
次の記事
feedback
Top