近年,鉄やマンガンに富む堆積物のモリブデン (Mo) 同位体に基づき,太古代や原生代前期の地球表層酸化還元環境が議論されるようになってきた。その結果、約30億年前より、局所的には酸化的な環境が存在していた可能性が明らかとなってきた。しかし,先行研究では,鉄マンガン堆積物のMo同位体変動とグローバルな酸化還元環境の関係を議論できていない.そこで本研究では、鉄マンガン酸化物におけるMo同位体変動の古環境学的意義を理解するために,現世海底の熱水性鉄マンガン酸化物を対象に系統的なMo同位体分析を行った.