日本地球化学会年会要旨集
2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集
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G02 古気候・古環境解析の地球化学
富山湾産シラス耳石の酸素・炭素安定同位体比 ―仔稚魚期イワシ類の生態解明に向けて―
安 彩伽*西田 梢南條 暢聡高橋 素光石村 豊穂
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キーワード: 安定同位体比, 耳石, シラス
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p. 10-

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抄録

発育初期のイワシ類は、生後30 -50日程度のシラス(仔魚)の間プランクトン生活を行い、その後カエリ(稚魚)に変態してから徐々に回遊を行う。イワシ類の水産資源の安定的な確保のためには、発育初期の生態や生育環境の情報を蓄積することが重要である。本研究では、シラスの生息環境履歴を調べるため、炭酸カルシウム(アラゴナイト)からなる耳石の酸素同位体比(δ18O)の分析を行った。耳石は体成長とともに付加成長し再吸収されないため、そのδ18Oは水温と海水のδ18O履歴を反映する。そこで、富山湾沿岸で採取されたシラス2種(マイワシ・カタクチイワシ)から微小な耳石を取り出し、耳石のδ18Oから生息環境の推定を行った。本研究ではシラスを外部形態から5つの発育段階に区分し、発育段階による酸素・炭素同位体比(δ18O・δ13C)の変化を明らかにしつつ仔稚魚期の生態解明を目指した。

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© 2017 日本地球化学会
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