日本地球化学会年会要旨集
2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集
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G02 古気候・古環境解析の地球化学
窒素同位体モデルを用いた南極縁辺海における過去2000年間の表層窒素循環変動の解析
*吉川 知里近本 めぐみJohan EtourneauXavier Crosta小川 奈々子大河内 直彦
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p. 12-

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抄録

南極海は、海氷生産を通して海洋熱塩循環を駆動することから、全球の気候システムにおいて重要な役割を果たしている。東南極ウィルキス・ランド沖のアデリー海において、2010年に詳細な年縞をもつ貴重な海底堆積物が採取されたことを機に、この海域における完新世の海洋環境の高解像度な復元と解析が実施されてきた。この一環として、海氷プロキシーであるChaetoceros属珪藻の休眠胞子やF. CurtaやF. cylindrusの過去2000年間の変動が復元された(Campagne et al. in prep.)。一方、海洋表層水中の栄養塩環境の指標となるクロロフィルの化合物レベル窒素同位体比は、上述のパラメーターとほぼ同期する形で-8から0‰の範囲で変動することが示された(Etournea et al. in prep.)。本研究では、窒素同位体モデルを用いて、アデリー海における過去2000年間の表層窒素循環変動を復元し、堆積物中のクロロフィル窒素同位体比に見られた変動のメカニズムを考察した。

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© 2017 日本地球化学会
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