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本研究では、2015年6月29日から7月1日の間に発生した箱根山大涌谷の噴火の前後における、噴気中のヘリウム・窒素同位体等の変動について調査した。2か所の噴気における、大気成分の寄与を除去した3He/4He比の補正値は、2015年6月噴火前から8月にかけて上昇し、その後は徐々に低下した。マグマ起源の高い同位体比を持つヘリウムを伴う水蒸気の蓄積が、2014年の御嶽山の水蒸気噴火の原因となった可能性が指摘されており、箱根山においても火山活動の変化・水蒸気の蓄積がヘリウム同位体比に反映された可能性がある。発表ではヘリウム同位体以外のデータも提示し、噴火前後における箱根山噴気の化学組成・同位体組成の変動について議論する。