p. 155-
有害陰イオンである亜セレン酸(Se(4))は酸性から中性条件の溶液中では除去する事は比較的容易であるが, アルカリ条件の溶液中では通常鉱物の表面電荷が負に帯電するためその限りではない. 著者らはこれまでに酸化マグネシウム(MgO)がpH10を超えるアルカリ溶液中でSe(4)に対して極めて高い除去能を持つこと示した(宮下 他, 2016地球化学会年会). またSe(4)の有効な取り込みには溶液中におけるMgOの水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)への変質が関連している可能性を提示した. 本研究ではSe(4)濃度を系統的に変化させた収着速度実験を行うと共に, 固体試料に取り込まれたセレンのX線吸収微細構造(XAFS)解析を用いて, MgOによるSe(4)の収着メカニズムを考察した.