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福島第一原子力発電所事故によって環境中に放出された放射性セシウムは、土壌中の雲母粘土鉱物に強く吸着されていることが知られており、原子レベルの構造が吸着メカニズムに強く関係していると考えられているが、その詳細は今もわかっていない。そこで、我々は、雲母粘土鉱物に存在すると考えられている、平面サイト、エッジサイト、ほつれたエッジサイト、層間サイトの4つの吸着サイトについて原子レベルのモデルを構築し、密度汎関数法と分子動力学法を用いて解析を行い、特異な吸着特性のメカニズムを明らかにした。