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アイスコアから過去の環境変化を研究するためには、正確な年代を与えることが不可欠である。一般的には、グリーンランドアイスコアの高精度年代は年層を数えることで正確に求めることができる。しかし、年層同定に用いられる酸素同位体(δ18O)や化学成分の濃度は不規則な変動を示すことがあり、1年以下(数か月レベル)での年代決定は困難であった。本研究では、アイスコア記録と気候モデルによってシミュレートされたδ18Oの変動をパターンの対比に基づいて高精度年代決定を試みた。年代推定法は、グリーンランド南東部のドームから得られた新しいアイスコア(SE-Domeコア)に適用した。SE-Domeにおけるアイスコアのδ18O変動パターンと同位体大気大循環モデルの降雪のδ18O変動パターンの間には、過去54年間に渡って高い相関があった。不規則な数か月レベルの変動にも特徴的な一致が見られたため、±数ヶ月の精度で年代を決定することができた。