原始太陽は現在の太陽より活発な活動をしており、原始太陽系星雲中の物質は原始太陽から放出された過剰な太陽宇宙線の照射の影響を受けていたとする太陽宇宙線初期照射説を同位体化学的に検証する試みとして、Allende隕石中の高温凝縮物CAI中のLaの精密同位体測定を行った。同位体測定の結果、CAI中の138Laに顕著な同位体過剰が認められた。これは、Shen and Lee (2003) の報告値と同レベルの変動と言える。比較のために、CAIとは宇宙線照射環境が異なると考えられる、アポロ計画による月表土試料、Allende隕石のCAIを採取した周囲のマトリックス部分についてもLa同位体比を測定中であり、本発表では、それら同位体データの詳細な比較から太陽宇宙線初期照射について考察する予定である。