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近年、化学肥料や化石燃料の使用量の増大に伴い、大気中に窒素酸化物の放出が増加している。日本海側は冬期から春期にかけて大陸からの季節風の影響を強く受けるため、北陸地方の森林域は窒素酸化物や硝酸エアロゾルを含む窒素沈着の影響を受けやすい。また、北陸地方は北海道などと比較して温暖であるため、積雪期間内においても降雨を伴うため、森林流域内の水やの物質の動きが複雑である。本研究では、硝酸の三酸素同位体組成を用いて、石川県白山市の森林流域における降水、土壌水、渓流水における大気硝酸と微生物由来硝酸の寄与の季節変動を議論した。