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マントルに関する地球化学的モデルでは、中央海嶺玄武岩や海洋島玄武岩などそのマグマ源がマントルを反映する試料に対して、Sr,Nd,Pbなど放射性起源同位体を含む固体元素の同位体比を基本として考えられている。一方、希ガス同位体は固体元素とは異なった化学的挙動をするので、それらの示す同位体比の変動は、固体元素同位体比とは異なった情報を提供する。しかし各種の地球化学的モデルでは、希ガス同位体比についての要請が十分に考慮されているとは言い難いものが少なからず見受けられる。ここでは、希ガス同位体比の示す意義を再確認する。