本講演では、地球深部において金属コアとケイ酸塩マントルが熱的ならびに化学的な結合をしているとして、金属鉄—ケイ酸塩間の軽元素(酸素やケイ素)の分配過程から得られた実験結果とその解釈に着目し、データから解釈されるコア最上部の地震波速度構造と地球磁場永年変化の2つの観測データの説明の橋渡しとなる「コア−マントル結合系」シミュレーションモデルの紹介を行う.物性・分配実験のデータを用いたモデリングの結果、観測データを説明するためには、コア最上部に、約200km程度の厚さを持つ安定成層が必要となり、その中の温度構造は通常地震波から推定されてきた温度構造とは大きくことなることがわかった.