天体衝突は後期重爆撃期の原始地球において特徴的な化学反応場を生成した可能性が高い. その役割を定量化することは原始地球環境を推定する上で不可欠であろう. またその副産物として特徴的な地質物質を残していることも期待され, 地質分析による実証可能性も秘めている. 我々は千葉工業大学惑星探査研究センターに設置された軽ガス銃(設計上の最大達成速度は9 km/s)を用いて衝突誘起化学反応を調べる実験系を構築中である.我々は化学汚染ガスの侵入を極力防ぎながら, 開放系で最終生成ガスを分析する実験手法を確立した. 本発表では提案した手法を炭酸塩岩と水氷標的に適用した結果を報告する. この手法は任意の組成の弾丸と標的の組み合わせに適用可能である.