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希土類元素には,年代学に有効に利用可能な放射壊変生成物を含む元素,宇宙線照射の影響により同位体組成が変動する可能性のある元素,p-過程核種を含んで構成される元素など,宇宙化学的観点からそれらの同位体組成を高精度で測定し,その変動の有無を見るに値する元素が多く存在している.本研究では,一つの宇宙化学的試料から希土類元素を相互分離し,その同位体データから多くの情報を得ることを目的とし,そのためにまず,一連の操作での希土類元素の相互分離法の確立を目指している.従来より希土類元素の分離法として用いられてきたα-HIBAを溶離液とする陽イオン交換樹脂と比較して,取り扱いが簡便なLnレジンを用いて,希土類元素La, Ce, Nd, Sm, Gd, Dy, Er, Yb, Luの分離を行った.今後は,上記手法を標準岩石に適用した後,宇宙化学的試料への応用を目指す.