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大気中の硫酸および硝酸の三酸素同位体組成(Δ17O値)は、これらの生成におけるオゾン(Δ17O≒25-35‰)やOHラジカル(Δ17O≒0‰)などの酸化剤との反応の寄与率を反映している。この性質を応用して、南極アイスコア中の硫酸・硝酸のΔ17O値を制約条件とした大気化学モデルを用いた過去の大気酸化剤の変遷復元が試みられた(Sofen et al., 2014)。しかし、オゾン自体のΔ17O値のバリエーションについて、観測値による制約が不十分であることがモデルにおいて課題となっている。そこで本研究では、オゾンのΔ17O値の変動と、それに応じた硫酸・硝酸のΔ17O値の変動傾向およびメカニズムを確かめるため、南極大気中の硫酸・硝酸・オゾンのΔ17O値の季節変動の同時分析を行った。