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我々は南鳥島周辺の測点CTD01で採取した海水のNd同位体比の測定を行い、南鳥島近傍に位置する拓洋第5海山のマンガンクラスト表層のNd同位体比との比較を行った。その結果、以前と同様、マンガンクラスト表層のNd同位体比が、周辺の海水の値を保持、反映していることを確認した。一方、測点CTD01の表層および中層に注目すると、従来の北西太平洋亜熱帯域の測点とはいくつか異なる特徴を示すことが分かった。このことは、北西太平洋亜熱帯域の限られた海域内においても、表層から中層の水塊構造にはバリエーションがあることを示唆する。