日本地球化学会年会要旨集
2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集
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G11 原発事故で放出された放射性核種の環境動態
福島県に自生するキノコの含有放射性物質濃度の解析
*鈴木 喬也佐藤 佳子江本 久雄北村 早苗櫛田 拳齋藤 詩乃佐藤 暁十亀 陽一郎
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p. 56-

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抄録

本研究では、福島第一原子力発電所事故において漏洩した放射能の生態系への影響を調査するため、福島県に自生する野生キノコの含有放射性物質濃度の測定を行った。その結果、空間線量は低い(0.1μSv/h程度)にもかかわらず、キノコと土壌からはCs-137が検出された。また、土壌からCs-137が検出された場合、樹木に付着して生育するきのこにおいてもCs-137が検出された。一方、周辺の植物体からは放射性物質は検出されなかった。これらの結果は、空間線量の測定のみでは、環境や生態系における放射能汚染の把握は不可能であることを示しており、キノコに蓄積する放射性物質は土壌由来であることを示唆している。

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© 2017 日本地球化学会
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