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本研究では、福島第一原子力発電所事故において漏洩した放射能の生態系への影響を調査するため、福島県に自生する野生キノコの含有放射性物質濃度の測定を行った。その結果、空間線量は低い(0.1μSv/h程度)にもかかわらず、キノコと土壌からはCs-137が検出された。また、土壌からCs-137が検出された場合、樹木に付着して生育するきのこにおいてもCs-137が検出された。一方、周辺の植物体からは放射性物質は検出されなかった。これらの結果は、空間線量の測定のみでは、環境や生態系における放射能汚染の把握は不可能であることを示しており、キノコに蓄積する放射性物質は土壌由来であることを示唆している。