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ラジウム(Ra)は放射性元素であり地下水に移行しやすいことから、その環境挙動の解明が重要である。一方演者らのこれまでの研究の系統性とRaのイオン半径から、Raは粘土鉱物に内圏錯体として強く吸着・固定されることが予測される。そこで本研究では、旧ウラン鉱床である人形峠鉱山近傍のコア試料を用い、環境中のRaの移行に対する粘土鉱物の役割の解明を目的とした。この地域は、ウラン(U)鉱物を含むU濃集層下位に粘土鉱物を多く含む風化花崗岩層が存在するため、本予測を実証する上で最適な調査地域である。 Ra-226とU-238の放射能比から、U濃集層から移行したUとRaのうち、Raが選択的に風化花崗岩相に吸着したことが示された。また、鉄やマンガン、バリウムのX線吸収微細構造(XAFS)の解析結果から、環境中で移行したRaが粘土鉱物に吸着することが実証された。同時にイオン半径に基づく予測の有用性も支持された。