日本の土壌,特に黒ボク土の放射性セシウム隔離効果(内圏錯体形成により移動速度を著しく低下させる効果)を引き上げる要因として、黄砂(石英・雲母系鉱物を含む風成粒子)の歴史的な飛来に着目し,次の2つの研究‐1.石英のδ18O値およびK含有鉱物のK-Ar年代に基づく火山灰層中への黄砂混入割合の推定,2.火口からの距離に応じた黄砂混入率の増加傾向の検証と放射性セシウム隔離効果との関係の解明-を実施した。その結果,黒ボク土の放射性セシウム隔離効果は,ほぼ黄砂由来の雲母系鉱物量によって規定されていることが実証された。この成果は,黄砂が日本における土壌機能形成に深く関与していることを示しているため,他の土壌機能への影響についても注目していきたい。