p. 192-
火星は現在でも太陽系原始惑星の特徴を反映していると考えられており、地球型岩石惑星の初期分化・進化プロセスを理解するうえで非常に重要な研究対象である。本研究では火星由来の玄武岩であるシャーゴッタイト隕石のPb同位体組成分析に基づき、火星初期進化プロセスの解明を試みた。本研究の結果から、火星マントルがPb同位体的に不均質であることが明らかとなった。先行研究で報告されているシャーゴッタイトソースリザバーの短寿命放射性壊変系の特徴との比較から、この火星マントルの不均質は火星初期分化時に形成された2つのリザバー間の相互作用によって生じたと考えられる。