日本地球化学会年会要旨集
2018年度日本地球化学会第65回年会講演要旨集
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G10 最先端計測・同位体化学の地球化学及び境界領域への応用
LA-ICP質量分析法による炭酸塩鉱物のU-Pb年代測定技術の開発
*横山 立憲國分(齋藤) 陽子三ツ口 丈裕村上 裕晃平田 岳史坂田 周平檀原 徹岩野 英樹丸山 誠司常 青宮崎 隆木村 純一
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p. 211-

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抄録

炭酸塩鉱物は岩盤中に普遍的に産出し、その地球化学的情報、年代学的情報は、地質環境変遷を解読する上で有用な制約因子となる。LA-ICP-MS法などの局所領域分析手法を用いて、元素・同位体組成を分析することにより、その炭酸塩鉱物を沈殿させた水の起源やその組成及び生成年代の範囲を明らかにできる。一方で、炭酸塩鉱物のU-Pb年代測定は、U-Pb系への適応性の低さと標準試料が未選定という二つの未解決課題があった。本研究では、炭酸塩鉱物のU-Pb年代測定技術の確立のため、同位体イメージング分析手法を適用し、U-Pb系への適応性の低さを補完し、WC-1を標準試料として採用した。ウミツボミ(示準化石)試料についてU-Pb年代測定を実施した結果、得られた年代値は試料の棲息年代と整合的であった。従って、本手法を用いた年代測定は、少なくとも約250-350Maの年代において有効と結論できる。

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© 2018 日本地球化学会
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