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炭酸塩鉱物は岩盤中に普遍的に産出し、その地球化学的情報、年代学的情報は、地質環境変遷を解読する上で有用な制約因子となる。LA-ICP-MS法などの局所領域分析手法を用いて、元素・同位体組成を分析することにより、その炭酸塩鉱物を沈殿させた水の起源やその組成及び生成年代の範囲を明らかにできる。一方で、炭酸塩鉱物のU-Pb年代測定は、U-Pb系への適応性の低さと標準試料が未選定という二つの未解決課題があった。本研究では、炭酸塩鉱物のU-Pb年代測定技術の確立のため、同位体イメージング分析手法を適用し、U-Pb系への適応性の低さを補完し、WC-1を標準試料として採用した。ウミツボミ(示準化石)試料についてU-Pb年代測定を実施した結果、得られた年代値は試料の棲息年代と整合的であった。従って、本手法を用いた年代測定は、少なくとも約250-350Maの年代において有効と結論できる。