日本地球化学会年会要旨集
2018年度日本地球化学会第65回年会講演要旨集
会議情報

G07 宇宙化学・惑星化学
昇温脱離ガス分析法(TDS)で見た隕石中の揮発性物質
*大澤 崇人
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 246-

詳細
抄録

地球などの惑星大気の形成と進化の過程を明らかにするためには、天体が形成された最初期における大気組成を何らかの方法で推定する必要があり、これまで放出されるガスの組成は、隕石の化学組成を元に熱力学的に計算されてきた。一方、実際に隕石を加熱した際の揮発性物質の脱ガスの様相についてはデータが乏しい。そこで様々な隕石からの脱ガスの様相を知るために、隕石用の昇温脱離ガス分析装置を開発した。各種隕石を10℃/分の速度で温度を上昇させ、1350℃まで加熱し、m/z 1から140までを測定した。結果、いずれの隕石からも放出されるガスはm/z 18、28、44の3つが大半を占めており、それぞれH2O、CO、CO2に対応している。中でも特に、ほとんどの隕石においてCOの量が突出して多く、炭素質コンドライトのような酸化的な隕石であっても明らかにCOの量がCO2の量を上回っていた。

著者関連情報
© 2018 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top