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日本海および東シナ海の表面海水試料を広域にサンプリングを行い,δ18Oswと塩分の関係について,その季節変動・経年変動を把握する試みを進めている.本研究では,これまで得られた表層採水および鉛直採水をおこなった試料について,δ18Oswデータと塩分データを統合しδ18Osw‒塩分関係式を構築することを目的とした.研究に用いた海水試料は,2015年から2018年にかけて東シナ海〜日本海の北緯25~43度,東経124〜140度の100地点以上で採水した. 本研究で得られたδ18Osw ‒塩分の関係式の傾きおよび切片は東シナ海,対馬海峡東部,日本海中部,沿岸域で異なり,δ18Osw-塩分の関係が海域によって異なる可能性が見出された.本発表では海域ごとの水平・鉛直変化の検討および経年変動についても考察する.得られる知見は魚類耳石のδ18Osw解析に基づく回遊履歴の解明などに利活用できると期待される.