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これまでに地球上で発見された隕石の重元素同位体組成を比較すると、炭素質コンドライト(以下CC)とそれ以外の惑星物質(普通・エンスタタイトコンドライトや分化隕石:以下NC)が明瞭な2グループに分類されることが分かってきた。これは隕石の同位体二分性と呼ばれており、その原因として木星コアによる初期太陽系円盤の空間的分断(内側:NC、外側:CC)が示唆されている。隕石のMoやRu同位体組成からは内側領域は外側領域よりはるかに均質であると考えられているが、Srに関しては高精度同位体分析の例が少なく、NCが持つSr同位体の不均質性については不明な点も多い。本研究ではTIMSによるNC隕石の高精度Sr同位体分析を目標に、分析技術の開発を行った。ダイナミック法によるNIST 987の繰り返し測定(n = 9)および地球試料(JB-3)の測定(n = 1)を行った結果、JB-3のµ84Sr値は–14 ± 11 ppmとなり、繰り返し再現性(29 ppm, 2SD)の範囲内でNIST 987と一致した。