海水中のバリウム(Ba)は、主に河川から供給されるため、沿岸域では濃度が高く、外洋域では濃度が低くなる。また、バライト形成時に同位体的に軽いBaが選択的に海洋表層から除去されるため、海洋表層の137Ba/134Baは沿岸域では0.2‰と低く、外洋域では0.9-1.0‰と高い値を示す。そのため, Ba同位体比と塩分の間には相関関係が見られる。したがって、淡水の影響を受ける海域の有孔虫殻などの炭酸塩骨格が、海水のBa同位体比を記録しているならば、炭酸塩骨格中のBa濃度・同位体比を分析することにより、過去の海洋塩分を復元できる可能性がある。本研究では,海水および炭酸塩の高精度Ba同位体比分析に向け、Ba単離法の検討を行った。そこで,50-130ng Baを含む富山湾深層水、JCp-1(炭酸塩)試料を使用し、Sr樹脂カラム(Eichrom, 樹脂量 0.5mL, カラム径 3.6mmϕ×5cm)によるカラムキャリブレーションを行い、上記の条件についてBaのカラム分離方法を確立した。