日本地球化学会年会要旨集
2018年度日本地球化学会第65回年会講演要旨集
会議情報

G05 海洋における微量元素・同位体
キレート樹脂を用いた海水中タングステンの安定同位体比分析法の開発
*藤原 由大辻阪 誠高野 祥太朗宗林 由樹
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 271-

詳細
抄録

W同位体比は様々な地球化学過程によって変動することが確認されているため,濃度とともに同位体比を分析すれば,海洋と大陸,堆積物,および海底熱水系の間のフラックスや人為起源汚染の影響をより精密に評価できると考えられる.MC-ICP-MSによる同位体比測定のためには,Wを海水5 kgから1 mLまで約5000倍濃縮しなければならない.この濃縮分離操作時の同位体分別を防ぐため,Wを定量的に捕集する必要がある.さらには,操作中の汚染を防ぎ海洋中の主要元素とWを分離することが必要である.本研究は,海水中Wの安定同位体比測定の開発を目的とした.キレート樹脂NOBIAS Chelate PA-1を用いるWの高倍率濃縮を検討した.pH依存性の実験から,Wの定量的捕集にはpH 5.0が最適であるという結果が得られた.W試料6 kgを用いた添加回収実験では,pH 4.7での回収率は99.7 ± 6.5 (%, ave ± sd,n = 2)であった.

著者関連情報
© 2018 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top