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本研究ではサンマ(Cololabis saira)の耳石を用いて経験水温の推定を行った.サンマには透明帯と呼ばれる日周輪の識別の不可能な部位がある.試料は2013年8月に北海道の北東,北西太平洋親潮域で採集されたサンマの耳石4個体を用いた.試料を光学顕微鏡で透明帯を確認した後,微小領域切削装置(Geomill326)を用いて縁辺から核へ連続切削を行った.その後,微量炭酸塩安定同位体比分析システム(MICAL3c)を用いてδ13C・δ18Oを測定した. 連続切削は16〜23Lineと高解像度で行うことに成功した.分析の結果,耳石δ18Oは透明帯形成時期になるとそれ以前の時期に比べいずれの個体も1.0‰から1.5‰重いδ18Oの値を示し,経験水温の変化を反映している可能性が示された.