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モリブデン(Mo)は、鉄マンガン酸化物への吸着に伴って大きな同位体分別を起こすが、その原因はマンガン酸化物への吸着に伴って四面体(Td)から歪んだ八面体(Oh)へ構造変化するためであることが、X線吸収微細構造(XAFS)法の解析から示唆されている (Kashiwabara et al., 2011; Wasylenki et al., 2011)。配位数はイオン半径と相関している。従って、Moと同様のイオン半径を持つ元素は、吸着に伴う大きな同位体分別をすることが期待される。ゲルマニウム(Ge)およびバナジウム(V)はMo(VI)と同様のイオン半径をもち、これらの元素はMoと同様の性質を示す可能性がある。本研究では、吸着に伴う大きな同位体分別が起こる機構を詳細に理解するために、Moに類似のイオン半径を持つこれらGeおよびVについて、鉄/マンガン酸化物に対する吸着構造を調べ、量子化学計算によって同位体分別の見積もりを行った。