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Sakaguchi et al. (2009)よりフブスグル湖の湖底堆積物コアにおいて, 年代によって自生ウラン濃度が変動することが報告されている. この現象は, 鉄酸化物によるウラン吸着脱離過程により説明される可能性が指摘されている. これらの鉄酸化物によるウランの吸着挙動に影響を与える水質因子を解明出来れば, 堆積物のウラン濃度に対応した過去の水質を復元出来る可能性がある. 水質条件の関数として元素の吸着挙動を理論的に予測出来る手法に, 「表面錯体モデリング」がある. この表面錯体モデリングを逆方向に適用すると, 微量元素の吸着挙動から水質を予測できる可能性がある. 堆積物に残された微量元素情報から表面錯体モデリングを用いて, 吸着時の水質を復元する手法を構築できる可能性がある. そこで, 本研究では鉄酸化物のウラン吸着挙動をモデル化し, その構築したモデルを自然界におけるウランの吸着挙動に適応するか確かめることとした.