日本地球化学会年会要旨集
2018年度日本地球化学会第65回年会講演要旨集
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G02 古気候・古環境解析の地球化学
チャンバー実験への化学モデルの適用と自己遮蔽効果の検討
*生沼 美穂Danielache SebastianGrassi Tommaso
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p. 88-

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抄録

大気化学モデルは大気組成や化学種の変動を理解するために重要である。太古代地球の大気組成は未解明だが、堆積岩中にもその手がかりは残され、硫黄同位体の質量非依存同位体分別(S-MIF)によって当時の還元的大気の存在が知られている。S-MIFの詳細なメカニズムは未解明であるが、Endo et al. (2016) ははじめて光化学実験において太古代の地質記録に特徴的な硫黄安定同位体比を再現した。そのため、今回その条件に対し大気化学モデルを適用し、実験結果の再現を試みることで還元的条件下における化学的物理的反応への理解が深まると考えた。本研究では、32,33,34,36S 同位体種を考慮し、SO2 、SO およびOCS の光化学反応について、各反応速度定数と各化学種濃度を時間発展して算出し、計算条件等の比較を行った。本発表では、SO2が光学的に薄い条件における自己遮蔽効果の検討および同位体分別の再現結果について議論する。

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© 2018 日本地球化学会
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