日本地球化学会年会要旨集
2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
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S3 考古と文化財の地球化学
pXRFの考古学利用の現状と課題-肥沃の三日月地帯出土の黒曜石原産地推定を例として
*安間 了
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p. 196-

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抄録

肥沃の三日月地帯の先土器新石器〜土器石器時代遺跡から出土した石器黒曜石の研究例を紹介しながら、近年考古学分野で盛んに用いられている携帯式蛍光X線分析器(pXRF)利用の現状と課題について考察する。アラビア半島衝突帯前縁部に相当する”肥沃な三日月地帯”には、石器原材料の黒曜岩も多産する。これまでのデータの蓄積によって、黒曜岩の地球化学的な性質は原産地ごとに明らかにされており、遺跡から出土される石器材黒曜石についても、その場pXRF測定によって得られるデータと原産地データと比較することによって十分に比定できることが確かめられた。いっぽう、データを蓄積する段階ではpXRFの測定精度や安定性が現在ほど向上していなかったため、同じ機材や環境で取得したデータを比較する必要性を指摘されることがある。これは適当な標準試料が未だに整備されていないためであり、地球化学の分野でも推進すべき課題である。

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