主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
回次: 67
開催日: 2020/11/12 - 2020/11/26
p. 28-
福島第一原発事故時に環境中に放出された、不溶性放射性セシウム粒子(Type A)の生成過程を推定することは、事故進展を解明する上で有用である。著者らは、Type Aの起源として3号機のHEPAフィルタ(グラスファイバ:GF)が水素爆発時に溶融・微粒化して生成した可能性を指摘した。その場合、活性炭フィルタやGFのバインダ中の炭素がType A粒子とともに存在する可能性が高い。しかしながら、従来の観測では、粒子の固定用にカーボンテープを用いてきたため、炭素の同定が難しかった。本研究では、電子線マイクロアナライザ(EPMA)とカーボンテープ以外の試料台を用いて炭素の観測を行った。その結果、Type Aの炭素量は、バインダ起源と考えられるGFの炭素量と類似していた。これは、著者らの主張する仮説と矛盾しない。炭素の情報と他の構成元素との関係を注視しつつ、生成過程の更なる解明に取り組んでいく。