日本地球化学会年会要旨集
2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
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G08 地球深部から表層にわたる元素移動と地球の化学進化
イラン北西部のトラバーチン湧水中のヒ素を含む微量元素の起源解析
*金子 将己淺原 良浩南 雅代栗田 直幸Azizi, HosseinRasouli―Amin, Hadi張 玉博
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p. 125-

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抄録

イラン北西部の地域にはジュラ系~白亜系の石灰岩が広く分布するとともに、第三紀〜第四紀に形成されたトラバーチン(石灰岩質沈殿岩)も広く産出する。この地域は第三紀~第四紀の火山活動が活発であり、金属・非金属の鉱床も多く存在する。この地域のトラバーチン湧水(地下水)にはヒ素などの重金属元素を高濃度に含むものがある。生活環境や健康の面からの水質調査が行われているが、この地域のトラバーチン湧水のヒ素を含む様々な溶存元素についての詳細な地球化学的検討はなされていない。本研究では、イラン北西部地域のトラバーチン湧水の溶存元素の起源解析を主要・微量元素の定量分析と同位体分析を利用して行った。その結果、湧水およびその溶存元素は石灰岩から溶解した成分に火山由来の成分が付加して形成されていることが推察された。

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