日本地球化学会年会要旨集
2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
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G07 素過程を対象とした地球化学
化学交換反応系におけるタングステン同位体分別の原子核体積効果の推定と宇宙化学への応用
*有泉 涼子大野 剛深海 雄介
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p. 94-

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抄録

182Hfの放射壊変に基づく182Wの同位体比変動を利用した年代測定法は、太陽系諸天体のコア形成時期の推定に利用されている。一方で、183Wにおいて質量に依存しない同位体分別(MIF)が報告されており、その原因は未だ明らかになっていない。そのため、タングステンの同位体分別機構を理解することは、182Hf-182W系を利用した研究において重要である。本研究では、今まで注目されてこなかった「同位体効果」の観点から182W同位体比変動について検討し、宇宙化学へ応用することを目的とした。 同位体効果の中でも、MIFの要因の1つである「核の体積効果」に着目した。これを議論する上で指標となる核の平均二乗半径の差<δr2>において、論文によって異なる値が報告されており、正確な<δr2>が不明である。そこで本研究では、実験的に核の体積効果によるMIFを見積もり、<δr2>に制約を与えることを試みた。

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