日本地球化学会年会要旨集
2022年度日本地球化学会第69回年会講演要旨集
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G2 環境地球化学・放射化学
同位体環境化学の現在地と展望
*角皆 潤中川 書子
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p. 139-

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抄録

1950-60年代に各種物質の軽元素安定同位体比が高精度で測定出来るようになると、環境問題に対する関心の高まりという時代背景と重なって、軽元素安定同位体比は、環境物質の起源を判別する有用な指標として環境化学分野で広く活用されるようになった。ところが実際の環境化学の現場でその起源解明の指標として軽元素安定同位体比を活用しようとすると、うまくいかないケースが多かった。結果、軽元素安定同位体比は「分析が手間なのに、さっぱり役に立たない」との見方が定着してしまったようにすら思える。しかし近年の安定同位体地球化学の進展のおかげで、軽元素安定同位体比指標の「役に立たない」問題にも徐々にではあるが光明が見えて来たように思う。本講演では、同位体環境化学の明るい展望を紹介する。

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