主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2022年度日本地球化学会第69回年会講演要旨集
回次: 69
開催日: 2022/09/05 - 2022/09/16
p. 140-
地下水中の硝酸イオン(NO3-)は複数の人為起源によって濃度が上昇し、健康への影響が懸念されている。本研究では、従来用いられてきた窒素同位体に加え、地下水流動を把握するための新たなトレーサーとしてウラン同位体比(234U/238U比)に注目し、地下水に溶存するNO3-の起源解析を試みた。NO3-濃度の上昇因子のうち、アンモニア化学肥料および家畜排せつ物に着目し、これらの放出源である農業地域および畜産業地域の地下水において234U/238U比の放射能比が特徴的な値を示すかどうかを検証した。分析の結果、両地域の地下水は、農業および畜産業の影響が少ない地域の地下水と異なる放射能比を示した。