日本地球化学会年会要旨集
2022年度日本地球化学会第69回年会講演要旨集
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G5 古気候・古環境解析
最終間氷期における南パタゴニア氷原の大規模融解
*粕谷 拓人長島 佳菜長谷川 精岩崎 晋弥岡崎 裕典
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p. 156-

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抄録

南米アンデス山脈の45°S以南に位置する南北パタゴニア氷原は,過去数十年間において加速度的な質量損失が観測されている。将来の氷河動態を予測する上で,最終間氷期などの過去の温暖期における氷原の挙動は重要な情報となる一方で,陸上地質記録には保存されにくい。そこで我々は,パタゴニアからの陸起源物質が連続して供給され,過去の氷原の融解史を記録している可能性の高い,チリ沖の深海底堆積物コア試料: U1543(54°S;76°W;水深3860 m),MR16-09 PC04(50°S; 79°W; 水深3848 m),同PC03(46°S; 77°W; 水深3082 m)に着目した。本発表では,µXRFコアスキャナーによる主要元素組成分析,XRDによる鉱物組成分析,および砕屑粒子の粒度分布測定の結果に基づき,最終間氷期に南パタゴニア氷原は現在よりも顕著に融解していた可能性を示す。

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