日本地球化学会年会要旨集
2022年度日本地球化学会第69回年会講演要旨集
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G6 宇宙化学:ダストから惑星,生命へ
アエンデ隕石細粒CAIの核合成起源Ti同位体異常
*増田 雄樹横山 哲也飯塚 毅日比谷 由紀
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p. 187-

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抄録

Calcium-Aluminum-rich-Inclusions(CAIs)は、星雲ガスから凝縮した太陽系最古の物質である。CAIに見られる核合成起源の重元素同位体異常は、太陽系最初期の同位体不均質性や物質混合過程を理解する上で重要な情報である。近年、再溶融を経験した粗粒CAIと未溶融の細粒CAIでは、Ti同位体異常が異なることが判明した。本研究ではアエンデ隕石から分離した10個の細粒CAIのTi同位体比を測定した。得られたTi同位体比は、先行研究と整合的な数値範囲を示した。一方、我々が測定した各細粒CAIのSr同位体組成と比較すると、Ti同位体組成とは明確な相関が見られなかった。これは細粒CAI中ではTiとSrの同位体異常を変動させるキャリアが異なることを意味しており、星雲ガス中に不均質分布していた各元素の同位体異常キャリア物質を細粒CAIがランダムに獲得したことを示唆する。

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