本研究では、南北インド洋の観測(GEOTRACES JAPAN KH-09-5 航海)にて、大気と海水中のハロカーボン類とイソプレンを測定した。表層における混合状態をCFC-11の分布から読み解き、海洋植物由来の有機ガス成分の分布との関係を調べた。北インド洋亜熱帯域(17°N, ER-5)では、表層混合層内で高濃度のイソプレン(~100 pmol L–1)が見られた。混合層以深には、ブロモホルムとジブロモメタンの顕著な濃度極大が見られた。他のエリアでは、混合層直下にこれら3成分の濃度極大が見られた。南極域では、CFC-11濃度は水深10 mより深いところの全層で大気平衡濃度よりも低く、未飽和な状態であった。これは、CFC-11を含まない深層水が鉛直の影響と考えられた。南大洋から南極域の表面ブロモホルムについては、飽和度が大気平衡(~100%)よりも若干高い程度であった。したがって、海洋から大気への有機臭素ガスのフラックスを見積もる際には、大気中濃度を適切に与えることが大事である。