日本地球化学会年会要旨集
2022年度日本地球化学会第69回年会講演要旨集
会議情報

G6 宇宙化学:ダストから惑星,生命へ
初期火星熱水系で起きる水-岩石反応により発生する熱水の化学組成
*上田 修裕渋谷 岳造松井 洋平
著者情報
キーワード: 火星, 水素, 水-岩石反応, メタン
会議録・要旨集 フリー

p. 217-

詳細
抄録

初期火星には熱水活動があり、水-岩石反応が起きていたと考えられている。そして熱水活動によって、火星の表層環境や生命存在可能性の議論に重要な物質(水素やメタンなど)が供給されていた可能性がある。そこで本研究では、初期火星の熱水環境を実験室で再現し(300度)、二酸化炭素に富む流体と岩石(火星玄武岩とFe-Ni合金)を数か月間にわたり反応させた。火星玄武岩のみの条件と火星玄武岩にFe-Ni合金を加えた条件では、生成する熱水の性質が異なった。特に、Fe-Ni合金を加えた条件のみでメタンやエタンなど炭素化合物の生成が確認された。さらに、Fe-Ni合金を加えた条件の場合は、水素濃度も1桁程度高くなった。同位体分析の結果から、メタンやエタンの大部分が二酸化炭素還元に由来することが示唆された。ゆえに、初期火星に隕石由来のFe-Ni合金を含む熱水環境が存在していたとすれば、現在の地球の熱水環境以上にメタンや水素に富んだ環境も存在したかもしれない。

著者関連情報
© 2022 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top