主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2022年度日本地球化学会第69回年会講演要旨集
回次: 69
開催日: 2022/09/05 - 2022/09/16
p. 30-
地球表層における元素の同位体存在度のわずかな変動は、さまざまな物理的・化学的要因により起こるため、分析対象試料の経てきた環境変化や物質進化、生成年代などの情報を読み取ることができる。金属元素の高精度同位体分析は、イオン化効率やイオン源の安定性の問題から、放射壊変の寄与のある元素の同位体分析による年代測定研究を軸にした研究展開にとどまっていたが、1990年代に確立された高温のプラズマイオン源と多重検出機構を備えた質量分析装置を用いた金属元素の高精度同位体分析法により、non-traditional isotopesと呼ばれる同位体地球化学の新たな分野が登場している。本講演では、演者がいままで行ってきた無機質量分析法の確立と同位体研究への応用を軸として、化学反応素過程理解の試みと、今後の発展性について、紹介する。