太平洋プレート西端の屈曲場で発見されたプチスポット火山に産する溶岩の急冷ガラスは,中央海嶺から遠く離れた地域のマントル上部希ガス組成を保持している可能性がある.本研究では南鳥島近海で採取されたプチスポット溶岩の急冷ガラス試料(6k#1466 R3-003)の気泡に含まれる気体を段階破砕法により抽出し,希ガス同位体組成とCO2量を分析した.分析結果から大気成分を補正して求めたプチスポットマグマのNeとArの同位体比はMORBマントルの値の範囲内であった.またプチスポットマグマの希ガス元素比はHeを除きMORBマグマとほぼ一致した.このため,太平洋プレート西端下マントルのNe, Ar同位体組成と希ガス元素組成は中央海嶺下マントルと類似する可能性が高い.さらにCO2/22Ne-20Ne/22Ne組成がMORBに一致したことから,プチスポットマグマのCO2/Ne比はMORBマグマと同等だと考えられる.